契約・法律に関する用語:一覧
悪意
法律上では、ある事実(事情)を知っていることを指す。
悪意の第三者
法律関係の発生・消滅・効力に影響するような、ある事実を知っていながら、その行為を行なう者のことである。
例えばその手形が、盗まれたものであることや売買契約キャンセルに伴なう無効手形であることを知りながら、手形を受け取った人などはこれに該当する。
異議
民事訴訟において相手方や裁判所、書記官などの行為、処分、裁判などが不当または違法であるとして、当事者が行なう不服の申立てのことである。
異時廃止
破産廃止の一種である。
破産宣告後、破産手続が進行中に裁判所が破産財団が不足で破産手続の費用も賄えないと認めた場合に、破産管財人の申立てまたは裁判所の職権により手続が廃止されることである。
この場合、裁判所は債権者集会の意見を聞かなければならない(破産法353条)。
一律源泉分離課税制度
預貯金の利子を含め広く金融資産収益については、他の所得と分離して一律に20%(このうちの5%は地方税)の税金で源泉徴収が行なわれ、確定申告を行なうことなく課税関係が終了する制度である。
預貯金利子に対する税制としては、1988(昭和63)年3月まで、一定の金額上限の下で非課税の扱いをする少額貯蓄非課税制度(マル優)をはじめとする各種の優遇制度が存在したが、1988年4月以降は、原則として一律源泉分離課税に統一され、非課税制度は高齢者、身体障害者、母子家庭等に限定して残ることとなった。
委任
当事者の一方(委任者)が他方(受任者)に事務の処理を委託し、受任者がこれを承諾することによって成立する契約をいう。
多額の債務を抱えた債務者が弁護士に債務整理を依頼する場合などがこれに相当する。
民法では契約などの法律行為の委託を委任とし(民法643条以下)、法律行為でない事務の委託を準委任として区別しているが、準委任には民法の委任の規定が全面的に準用される(民法656条)。
受任者は善良な管理者の注意をもって委任事務を処理するものとされる。
委任は各当事者がいつでも解除することができ、また委任には代理権の付与を伴なうことが多い。
委任状
契約の締結など一定の事項について、ある者に委任した旨を記載した書面のことである。
委任者が受任者に委任事項について代理権を付与したことを第三者に証明するために用いられることが多い。
委任は不要式の契約でとくに書面の作成を必要としないが、トラブルの回避など実際上の便宜から委任状を作成、交付するのが一般的である。
委任事項の一部や受任者の氏名を記載しないものを「白紙委任状」と呼ぶ。
貸金業規制法では、貸金業者が公正証書作成のための白紙委任状を取得することは制限されている(同法20条)。
違約金
契約不履行の場合に債務者が支払うことを約束した損害補償金のことである。
金銭消費貸借契約の場合の遅延損害金も違約金の一種である。
印影
紙などに押された印章の跡のことである。
インカムゲイン
有価証券や不動産等の保有により得られる利子・配当・分配金・家賃等の所得収入のことである。
投資対象証券の償還・支払いによる損益、すなわちキャピタルゲイン(ロス)とともに証券投資の収益を構成する。
印鑑/印章
印鑑は官公署や金融機関に印鑑届として届け出てある印影をいい、俗に印章のことを印鑑と呼ぶことがある。
署名(いわゆるサイン)の場合は署名鑑という。
また印影を顕出させるために木・象牙・石などに姓名などの文字、または符号を刻んだものを「印章」と呼び、印顆、印形とも呼称される。
一般には「判」とか「判こ」と呼ばれる。
印鑑照合
金融機関であらかじめ届け出てある印鑑と預金の払戻請求書や手形・小切手などに押された印影を照合することである。
金融機関が使用された印影(または署名・暗証)を届出の印鑑(または署名鑑・暗証)と相当の注意をもって照合し相違ないものと認めて取り扱ったうえは、偽造や変造などがあってもその損害について責任を負わないとされる(普通預金規定ひな型8など)。
印鑑証明
その印影があらかじめ印鑑登録された印鑑のものであることを、官公署(市区町村や登記所)の長が書面で証明する制度のことである。
この印鑑証明書により契約書などに使用された印影が契約当事者本人のものであることが証明される。
登記申請など一定の場合に印鑑証明書の提出が必要とされる(不動産登記法施行細則42条、42条ノ2など)。
実際には印鑑登録時に交付された印鑑登録証の提示により、登録された印鑑を複写した印鑑登録証明書が発行される。
印鑑登録
官公署(市区町村や登記所)にあらかじめ印鑑を登録することである。
この登録印を一般に「実印」と呼び、それ以外を「認め印」と呼んで区別している。
浮貸し
金融機関その他の会社の役職員等が、その地位を利用し自己または第三者の利益を図るため、金銭の貸付、金銭の貸借の媒介、債務の保証を行なうことである。
刑法上の横領罪等になるほか、金融機関の役職員等については「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)」によって禁止されている(同法3条)。
エスクロー
アメリカの法律用語で、「第三者寄託」と訳されている。
特定物件を第三者に寄託し、一定の条件が相手方によって満たされたときにその物件を相手方に引き渡すことを約する条件付譲渡証書のことである。
インターネット取引におけるトラブルが急増したことから、商品や代金の受渡しを第三者が保証するエスクローサービスが広がり始めることとなった。
オペレ-ショナル・リスク
経営リスクの中で、事務リスクとシステムリスクのことを指す。
これに法務リスクを含めていうこともある(信用リスク、市場リスク以外の全ての経営リスクをいう場合もある)。
これらを金融機関が重視するのは、金融機関のビジネス戦略が金利収益だけでなく、バランスシートを使わない手数料など、オペレーション(通信・電算機器の操作)による非金利収益の拡大に注力しだしたことによる。
オペレーティングリース
ファイナンスリース以外のリース契約のことで、修繕などをリース会社が行ない、一定予告期間を置いたうえで中途解約が可能といった特色をもっている。
カード会員規約
クレジットカード会社(発行者)とカード会員の間で設けている規約である。
クレジットカードの支払方法や手数料率などのほか、カード会員が遵守しなければならない事項等が明記されている。
カード会社は会員が会員規約を遵守することを条件にして、カードを会員に「貸与」する。
また顧客へのカードの発行時点までに会員規約も交付しなければならない。
解約/解除
解約とは賃貸借を終了させる場合のように、継続的契約関係を将来に向かって解消することをいい、解除とは割賦販売等においてクーリングオフを実行する場合のように、当事者の一方の意思表示により契約関係を当初にさかのぼって消滅させることをいう。
いずれもいったん成立した契約を解消するものであるが、契約関係が初めからなかったと同様の効果を生ずるかどうかで両者は異なる。
確定判決
上告審の判決や上訴期間の経過などにより、控訴や上告ができなくなってその判決が上級裁判所で取り消される可能性がなくなった判決のことである。
確定判決で裁判された事項は、後にそれが再び控訴裁判所で判断されることになっても、前の裁判内容と矛盾する判断ができないようにする拘束力(既判力)を生じる。
確定判決は強制執行を行なう場合の債務名義の1つである。
確定日付
ある証書が作成された日時について完全な証拠力、ないし対抗力が認められる日付のことである。
確定日付と認められるのは、①公正証書についてはその日付、②証書については登記所または公証人役場でそれに日付のある印章を押捺したときはその日付、③証書の署名者中死亡した者があるときはその死亡の日、④証書を確定日付ある証書中に引用されたときは後者の日付、⑤官公署で証書に証明その他の事項を記入し、それに日付を記載したときはその日付、⑥公証人役場において電磁的記録に記録された日付情報の日付、の6つの場合である(民法施行法5条)。
上記⑤に当たる内容証明郵便は、その代表的な方法である。
貸金業規制法(貸金業の規制等に関する法律)
貸金業法とも呼ばれる。
1983(昭和58)年4月28日成立、同年5月13日公布、同年11月1日に施行された法律(それまでの「貸金業者の自主規制の助長に関する法律」は廃止)。
この法律と同時に改正された「出資法」と合わせて、「貸金業規制二法」と呼ばれる。
貸金業規制法の骨子は、
①貸金業を行なう者は事前に登録することの義務付け(登録制)
②契約書、領収書の発行、取立て行為の規制など各種業務内答についての規制
③貸金業の団体に関する規定(各都道府県に貸金業協会を設立)
④内閣総理大臣(金融庁)または都道府県知事に監督、立入検査、業務停止命令、登録資格の取消しなどの権限を付与
⑤みなし弁済規定(債務者が利息として任意に支払った場合のみなし弁済)
などである。
なお1999(平成11)年12月に「出資法」とともに罰則強化を含む改正が行なわれ、2000年6月1日から施行されている。
