契約・法律に関する用語:一覧
倫理綱領
企業活動において企業が自ら守る倫理的行為について、その基本方針や内容を内外に宣言するものである。
企業によっては、「企業行動憲章」、「企業行動指針」などの名称を付しているところもある。
内容は、ステークホルダー(利害関係者)に対して企業の果たすべき社会的責任、使命などについて明確に示し、役職員には日常業務における企業倫理に即した行動の指針となっているのが一般的である。
権利の濫用
ある行為が外観上は権利の行使のようにみえるが、その行為か行なわれた具体的な状況と実際の結果に照らしてみて、法律上権利の行使と認めることば妥当でないと判断される場合をいう。
民法では権利の濫用は許されないと規定する(1条3項)。
宇奈月温泉事件はこの権利濫用の法理を初めて確立した事件として著名である(大審院判・昭和10.10.5)。
合意管轄
管轄の合意ともいい、当事者は第一審に限り合意によって管轄裁判所を定めることができる(民事訴訟法11条)。
銀行取引約定書や金銭消費貸倍契約証書などでは「この約定に基づく諸取引に関して訴訟の必要を生じた場合には、貴行(貴社)本店または貴行(貴社)支店の所在地を管轄する裁判所を管轄裁判所とすることに合意します」という旨の合意管轄条項が定められることが多い。
行為能力
売買契約や消費貸借契約などの法律行為を、単独で有効にすることができる法律上の資格をいう。
原則として満20歳以上の自然人と法人は行為能力を有するとされる(民法3条、43条)。
この行為能力が不十分な者を制限能力者といい、@未成年者、A成年被後見人、B被保佐人、C被補助人がそれに該当する。
公益通報者
社員がその所属する組織内で行なわれている公益に反したり、害を及ぼすような行為を、行政監督当局などの公的機関に通報することをいう。
2002(平成14)年4月、内閣府国民生活局から発表された「消費者に信頼される事業者となるために」という、企業の自主行動基準の作成指針の中の公益通報者保護制度で使用されてから脚光を浴びるようになった言葉で、内部告発者と同義語である。
欧米流の表現での意味は、「社会のために積極的に行動する人」と解されている。
公益通報者保護制度では、イギリスの「公益公開法」などが著名である。
後見人
未成年者や成年被後見人を後見する人で、家庭裁判所が選任する。
未成年者後見人には同意権と取消権があり、成年後見人には取消権がある。
また未成年者後見人は1人しか認められていないが、成年後見人は複数でも、法人でもよい。
抗告
決定や命令に対する独立の上訴方法のことである。
一般抗告と特別抗告とがあり、前者はその性質によって通常抗告と即時抗告とに分類される。
通常抗告は原則として広く裁判所がした決定に対して認められ、即時特にこれを許す明文の規定がある場合にのみ行なうことができる。
抗告に代わるものとして、異議申立てと準抗告がある。
コンプライアンス
法令やルールを遵守することである。
日本を代表する企業の不祥事の続発を契機として、遵法経営の厳格化が要請されているのである。
金融庁の金融検査マニュアルでは、各金融機関がコンプライアンス(法令遵守)を達成することを求めているのである。
@まず、コンプライアンス体制をどのような哲学でどのように構築するか、その基本方針を示すコンプライアンス・ポリシーを策定し、その具体的手引書としてコンプライアンス・マニュアルを作成しなければならない。
A次に、社内体制として、社長などを委員長とするコンプライアンス委員会を設置するのである。
あわせて、コンプライアンス実現の統括者として各部門長をコンプライアンス・オフィサーに任命し、各業務部門および営業店ごとに、コンプライアンス担当者を配置しなければならないのである。
支払停止
債務者が弁済期の到来した金銭債務の全部または重要部分を、金銭の継続的な欠乏により支払えなくなったことを債権者に表示することを指す。
支払停止があれば破産原因としての支払不能が推定される(破産法126条2項)。
住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)
1999(平成11)年成立の「住民基本台帳法の一部を改正する法律」の規定により、地方公共団体のシステムとして構築された。
全国の市区町村の住民基本台帳法をネットワ-ク化し、都道府県・指定情報処理機関((財)地方自治情報センター。略称: LASDECが指定されている)において本人確認情報(氏名・性別・住所・生年月日・住民票コードおよびこれらの変更情報)を保有し、全国共通の本人確認を行なうことを可能とするシステムである。
全国民に11桁のコードを付け、本人確認情報をコンピュータで一元管理する。
2002(平成14年)8月5日から開始され、2003年8月からは、申請によりICカード形式の「住民基本台帳カード」が支給されるようになった。
全国どこの市町村でも自分の住民票の写しがとれるたり、恩給や共済年金などの現況届けや各種資格申請時の住民票添付が省略されるなどの利便性はあるが、一方で保護法が制定される前に実施されたこともあり、個人情報漏洩・悪用に対する対策が整っていないことによる不安や、福祉面の個人情報利用の拡大と行政の効率向上に関わる将来構想を明らかにしていないとの批判も出ている。
親権者
親権を行なう者のことである。
一般には両親(またはそのいずれか)をいい、親権とは、未成年の子に対してもっている身分上および財産上の監督・義務である。
善意/悪意
法律上は、善意とはある事実(事情)を知らないこと、悪意とはそれを知っていることをいう。
善意を保護し、その責任を軽減しようとするのが私法上の一般原則である。
善意取得者
正当所持人のことで、手形・小切手の譲渡人が盗取者・拾得者であるということを知らないで、その手形・小切手を譲り受けた者を指す。
こうした善意取得者(善意の第三者ともいう)の手に渡った手形は、たとえそれが騙し取られたものであったとしても、振出人や裏書人は、その支払いに応ずる義務を持つ。
善意の第三者
当事者以外の第三者が当事者間の事実(事情)を知らない、つまり善意である場合をいう。
例えば相手方と通じてした虚偽の意思表示は本来無効であるが、善意の第三者にはその意思表示の無効を対抗できない(民法94条)として善意の第三者を保護している。
任意規定
法令中の規定のうち、公の秩序にかかわりのない規定のことである。
任意法規ともいう。
強行規定に対する。
当事者が任意規定と異なる内容の契約をした場合は、その契約が優先する。
例えば、民法404条は「利息ヲ生スへキ債権ニ付キ別段ノ意思表示ナキトキハ其利率ハ年5分トス」と規定するが、(利息制限法もしくは出資法の制限利息に反しないかぎり)約定利率が優先して適用される。
保全命令
民事保全法に基づく民事保全命令をいう(同法2条1項)。
仮差押命令と仮処分命令があり、後者には係争物に関する仮処分命令と仮の地位を定める仮処分があり、申立てにより裁判所が発令する。
申立てには、その趣旨、保全すべき権利・権利関係(被保全権利)、保全の必要性を明らかにし、被保全権利と保全の必要性を疎明しなければならない(同法13条)。
