クレジットカードの基礎知識:一覧
個人の信用情報と四つの情報機関
クレジット業界における「個人信用情報」とは、与信評価の材料や支払能力の判断資料として利用される目的で収集された情報のことである。
具体的には、消費者ローンやクレジットの契約内容、返済状況に関する情報のことである。
それらの情報は、借入金の返済能力や購入代金の支払能力の判断の参考資料として利用される。
個人信用情報機関は、クレジット会社などの会員企業から消費者の個人信用情報を収集・蓄積・保管し、会員企業からの照会に対して収集した個人情報を提供することを業務としている。
クレジット会社にとっては、それらの情報により、利用者が多重多額債務となることを未然に防止したり、適正で迅速な与信を行なうことが可能となる。
代表的な個人信用情報機関は、次のように四つある。
@全国銀行個人信用情報センター(全銀協=全国銀行協会連合会に設置)
A株式会社シー・アイ・シー(CIC)
B全国信用情報センター連合会(全情連)
C株式会社シーシービー(CCB)
それぞれを簡単に解説しておこう。
@全国銀行個人信用情報センター(全銀協)
ここは、全国25地区の銀行協会が運営していた個人信用情報センターを統一し、1988(昭和6 3)年10月に設立されたものである。
会員数は2003年6月末で1553社、3万7069店舗を数える。
利用は会員企業に限定され、会員企業となれる企業は銀行、借用金庫、信用組合、農業協同組合、銀行系カード会社、銀行系信用保証会社などの銀行関連会社である。
A株式会社シー・アイ・シー(CIC)
社団法人・日本クレジット産業協会、社団法人・全国信販協会、メーカー系クレジット会社である日本信用情報センターの三者が共同で、1984(昭和59)年9月に設立したものである。
会員数は2003年2月で791社、利用は会員企業に限定され、会員となれる企業は、出資三団体のいずれかの会員企業でなければならない。
B全国信用情報センター連合会(全情連)
ここは、全国33地区で消費者金融会社が運営している個人信用情報交換所の連合組織体で、1976(昭和51)年9月に設立された。
会員数は4125社、9568店舗である。
会員企業は消費者金融企業に限定されている。
C株式会社シーシービー(CCB)
銀行系、流通系、信販系カード会社など33社が共同で、1979(昭和54)年8月に設立された。
会員数は433社である。
利用は会員に限定されるが、一般の人にも門戸は開かれている。
自分の信用情報の確認方法
個人が、前項で紹介した信用情報機関に登録されている個人情報を確認するための方法として「本人開示制度」がある。
これは、情報機関に登録されている自分の個人信用情報を確認することができる制度である。
個人の情報が正確かつ最新であるかを確認することを目的として、それぞれの個人信用情報機関では、本人開示ができるような制度を設けているのである。
開示手続きは、各情報機関により異なっているが、全国信用情報センター連合会(問合せ先0120-441-481)のみが閲覧による開示を行なっている。
また、他の三つの情報機関では郵送での本人開示を受け付けている。
たとえば、全国銀行個人信用情報センターを例にとると、郵送による本人開示には以下の四つの書類等が必要となっている。
@登録情報開示申込書
A印鑑証明書(正本1通。現住所のもので発行日から3か月以内のもの)
B本人確認資料(運転免許証、パスポート、健康保険証、勤務先等証明書、住民票、外国人登録証明書のいずれかのコピー1通。これらの資料をもっていない場合には、センター(電話03-3214-5020)まで問い合わせることが必要となる)
C切手(報告書の配達記録扱いの郵送料として290円分)
これらの書類等を封筒に入れ、「〒100-8216東京都千代田区丸の内1-3-1 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター宛」に送付すると、後日、報告書が自宅または勤務先に「配達記録扱い」で郵送され、自分の個人信用情報の記録を確認することができる。
同じようにCIC(電話0120-810-414)とCCB(電話0120-440-029)に本人開示を求める場合も、開示申込書、本人確認資料、開示手数料が必要となる。
クレジット業界の法律知識@割賦販売法
クレジット業界特有の法律に、「割賦販売法」がある。
割賦販売法というのは、1961(昭和36)年7月に公布され、同年12月から施行された割賦販売、すなわちクレジットに関する法律である。
その後、1984年と1988年の二回改正されている。
この法律の目的は、その第一条にあるように、「割賦販売等に係る取引を公正にし、その健全な発達を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通および役務の提供を円滑にし、もって国民経済の発展に寄与すること」である。
第二条には割賦販売、ローン提携販売、割賦購入あっせん、指定商品、前払式特定取引についての定義が示されている。
たとえば、「割賦販売」については、「購入者から代金を二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領すること(購入者をして販売業者の指定する銀行その他預金の受入れを業とする者に対し、二月以上の期間にわたり三回以上預金させた後、その預金のうちから代金を受領することを含む。)を条件として指定商品を販売すること」と定義されている。
少し長く、むずかしくなるが、この法律の主なポイントを以下にあげておこう。
・割賦販売および割賦購入あっせんおよび□-ン提携販売取引の条件の表示
指定商品の割賦販売等を行なう場合には、現金販売価格、割賦販売価格(購入者の支払総額)、割賦販売にかかる代金の支払いの期間および回数、割賦販売の手数料率などを、きちんと表示しなければならない。
・書面交付の義務
指定商品の割賦販売契約をした場合には、割賦販売価格(購入者の支払総額)、賦払金の額、商品の引渡時期、契約の解除に関する事項などを記載した書面を交付しなければならない。
・無条件契約解除(クーリングオフ)の期間は書面受取りから8日以内
割賦販売業者の営業所等以外の場所で、割賦販売(および割賦購入あっせん)の方法により指定商品を購入する契約をした場合には、交付された書面を受け取った日から8日以内であれば書面(内容証明郵便等)により、無条件に申込みの撤回、または契約解除ができる。
ただし、指定商品以外の商品の購入や、展示会や営業所に行って購入した場合は適用されない。
・契約の解除等の制限
割賦販売業者は、指定商品の賦払金の支払義務が履行されない場合に、20日以上の期間をおいてその支払いを書面で催告し、その期間内に義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払いの遅滞を理由として、契約を解除し、または支払時期のきていない賦払金の支払いを請求することができない。
・割賦購入あっせん業者に対する抗弁
割賦購入あっせん(クレジット)で商品を購入して、その商品が届かなかったり、商品に欠陥があった場合には、購入者は販売店に対して商品の引渡しや交換などの請求ができることはもちろん、それらの事実を理由に、クレジット会社に対する支払いを停止(拒否)することができる。
ただし、購入した商品が指定商品であり、購入者は商行為が目的ではなく、購入者の支払総額が4万円以上(リボルビング方式の場合は現金販売価格が3万800円以上)であることが条件となっている。
・契約の解除等にともなう損害賠償等の額の制限(遅延損害金の制限)
割賦販売(割賦購入あっせん)業者は、割賦(割賦購入あっせん)契約が解除された場合、あるいは契約を解除せずに残金(その契約にかかる支払総額からすでに支払われた額を控除した額)の返済を受ける場合には、損害賠償額の予定または違約金の定めがあるときでも、契約にかかる支払総額(残金)に相当する額と、これに対する法定利率(年6%)による遅延損害金の額とを加算した金額を超える額の金銭の支払いを購入者に対して請求することができない。
・割賦購入あっせん業者の登録制
分割払いやリボルビング払いのクレジットカードを発行する割賦購入あっせん業者(クレジット会社)は、経済産業省にそなえる割賦購入あっせん業者登録簿に登録しなければならない。
クレジット業界の法律知識A利息制限法、貸金業規制法、出資法
・利息制限法
これは、1954(昭和29)年に制定・施行された法律で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約について、その利息が以下の料率により計算した金額を超えるときは、その超過部分については無効とするという内容のものである。
その料率とは、
元本が10万円未満の場合…………………年20%
元本が10万円以上100万円未満の場合…年18%
元本が100万円以上の場合………………年15%
である。
ただし、商品やサービスを目的とする割賦販売契約や、個品割賦購入あっせん契約などのクレジット契約には適用されない。
・貸金業規制法(貸金業の規制等に関する法律)
これは、1983(昭和58)年にサラ金を規制するためにできた法律で、この法律と同時に改正された「出資法」と合わせて「サラ金二法」とも呼ばれている。
貸金業規制法の骨子は、貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対して必要な規制を行なうとともに、貸金業の組織する団体の適正な活動の促進、また資金需要者の利益を図ろうとするものである。
貸金業を営もうとする者は、総理大臣または都道府県知事への登録および三年ごとの更新、廃業等の届出などのほか、誇大広告の禁止や書面の交付、取立行為の規制など、厳しく開業と業務を規制される。
・出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)
サラ金二法のもう一方である出資法の上限金利は次のように改正されてきた。
1983年5月13日から1986年10月31日まで……年73.0%
1986年11月1日から1991年10月31日まで……年54.75%
1991年11月1日以降……………………………年40.004%
そして現在(2000年6月1日以降)では、年29.2%となっている。
一般に利息制限法の上限金利である年20.0%と出資法の上限金利である年29.2%との間の金利(出資法上では合法だが、利息制限法上では違法)はグレーゾーンと呼ばれている。
そして、消費者金融業界などでは、実質年率25.0%前後が採用されている。
クレジット業界においては、いち早く利息制限法上の金利制限内に金利を制定しようとする動きも出ている。
クレジット業界の法律知識B本人確認法、個人情報保護法
・本人確認法
2003年1月6日より「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」(本人確認法)が施行された。
これにより、金融機関等には、@顧客が預貯金口座の開設等の取引を行なう際に顧客の氏名・住居・生年月日等(法人の場合は名称・本店等の所在地等)を確認すること、Aその確認の記録を作成し保存すること、B取引の記録を作成し保存すること、が義務づけられることとなった。
この法律が制定された背景には、国際的な課題であるテロリズムや麻薬・銃器等犯罪を防止するためのマネー・ロンダリング(資金洗浄)対策がある。
クレジット会社においても、消費者が融資を受けたりキャッシング樺能をもつクレジットカードを申し込む際に、申込者が本人であることを確認するための書類(公的証明書)を提示(送付)し、その記録を一定期間保存することが義務づけられた。
本人であることを確認するための書類(公的証明書)は以下のとおりで、いずれかの書類の提示(送付)が必要となる。
○運転免許証(住所変更がある場合は裏面のコピーも必要)
○健康保険、国民健康保険、船員保険、介護保険の被保険者証(住所、氏名、生年月日、番号、表紙のコピー)
○パスポート(顔写真のページと住所のページのコピー)
○国民年金手帳(住所、氏名、生年月日、番号、表紙のコピー)
○外国人登録証明書(住所変更がある場合は裏面のコピーも必要)
○住民票の写し、または住民票の記載事項証明書
○戸籍謄本または抄本(戸籍の附票の写しが添付されたもの)
○印鑑登録証明書
○以上のほか、官公庁から発行、または発給された書類で、住所、氏名、生年月日の記載のあるもの
※上記本人確認書類の住所が入会申込書に記入した住所と異なる場合は、入会申込書に記入した住所が記載されている下記いずれかの書類のコピーも必要となる。
○公共料金の領収書(電気、都市ガス、水道、NTT東日本・西日本、NHK発行のいずれかひとつ)
○社会保険料の領収書
○国税、地方税の領収書または納税証明書
・個人情報保護法
個人情報保護法(2003年5月23日成立)は、民間企業や行政機関に個人情報の適正な取扱いを義務づけた法律である。
個人情報を取り扱う事業者に対して、個人情報の不正な取得や本人の同意を得ないで第三者に提供することを禁止した。
そして、個人情報漏洩の防止、苦情の迅速な対応を義務づけた。
たとえば、クレジットカードの所有者にDM(ダイレクトメール)を送りたい場合には、あらかじめDM発送の許諾をとっておくことが必要となる。
それを怠った場合には、本人の知らぬところで個人情報が使われたことになり、プライバシーの侵害となるのである。
