クレジットカードの業界知識:一覧
個人信用情報
個人の属性情報(氏名、生年月日,住所等)と個人の返済能力等に関する情報である。
後者には、クレジット利用の現状、過去の利用状況、返済実績などに関する情報、破産宣告等の公的記録がある。
ローンやクレジットを申し込んだ顧客に対し、企業側が適正な信用供与を行なうための判断材料となる。
スコアリングシステム
消費者の「信用」をデータから計数的に判断するシステムである。
クレジット申込者の属性情報(年齢、居住状況、勤務形態、年収など)、信用情報機関による既存借入れ金額・件数などの情報をもとに、支払い可能レベルを予測しその信用度合いに応じて信用供与(与信)するのである。
コンピュータシステムにより自動与信を行なうのが一般的となっているのである。
システム構築は既存顧客データのリスク発生実績に基づいて作られ、また、属性情報によるスコアリングは経済環境などにより変化するため、直前のリスク発生データを元にスコアを洗替えしていく人工知能導入型システムも増えているのである。
なお、スコアリングとは「採点」することの意味である。
全国信用情報センター連合会(全情連)
各地の消費者金融業者が設立・運営している、個人信用情報交換所(全国33ヵ所)の連合体である。
大阪地区のレンダースエクスチェンジが第1号で、1972(昭和47)年8月設立、全情連の組織化は1976(昭和51)年9月である。
国際カードと国内カードの提携関係
国際クレジットカードと呼ばれているものは、すでに述べたようにVISAインターナショナル、MasterCardインターナショナルの二大ブランドにアメリカン・エキスプレス・インターナショナル、ダイナースクラブ・インターナショナル、JCBインターナショナルの3ブランドを加えた五つが一般的である。
この国際カードと国内カードの間には、一般の消費者にはわかりにくい複雑な提携関係が結ばれている。
カード会社の人間でもときどきわからなくなるくらいである。
たとえば、OMCカードは、VISA、マスターカード、JCBの3ブランドと提携している。
国際カードのシェアは、会員数でみると、VISAが約10億人、マスターカードが約6億人、アメリカン・エキスプレスが約5700万人、JCBが約4800万人となっている。
VISAとマスターカードの二大ブランドでカード会員は16億人にも達する(2002年末)。
これに続くアメリカン・エキスプレスとJCBを合わせても1億人でしかない。
この数字からみても想像がつくように、クレジットカードのインフラに関する国際標準(グローバルスタンダード)は、VISAとマスターカードの二大ブランドが握っているといっても過言ではない。
たとえば、国際デビットシステムであるVISAの「Electron」、マスターカードの「Maestro」、国際ATMネットワークシステムであるVISAの「PLUS」、マスターカードの「Cirrus」についても然りである。
国内ブランドをもつカード会社が、国際化の名のもとにVISAやマスターカードの発行ライセンスを取得し、国内ブランドカードに、こうした国際ブランドマークを付帯させたときから、ことカード決済における国内ブランドのもつ意味は消失し、国際ブランドを通じた決済が一気に拡大することとなってしまった。
いずれにしろ、VISAとマスターカードという国際カードの二大ブランドが業界に与える影響は大きく、この二大ブランドの新たな動向にはとくに注意をしておく必要がある。
年会費の安い流通系力ード
クレジットカードの年会費は、一般的には1250円(税別)である。
月額に直せば約100円である。
これをタバコ代やストッキング代より安いと思うかどうかが、年会費に対するカード利用者の意識の分かれ目である。
ドケチを自称するNさんがもっているのは、年会費が無料の流通系クレジットカードである。
現在のところ年会費無料であるクレジットカードは、セゾンカード(VISA/MasterCard/JCBと提携。以下同)、東武カード(VISA/MasterCard/JCB)、ジャスコカード(VISA/MasterCard/JCB)などである。
また、OMCカード(VISA/MasterCard/JCB)や東急TOPカード(VISA/MasterCard)は無料ではないが、年会費は1000円と他のクレジットカードより割安となっている。
流通系クレジットカードの年会費無料は、販売促進策の一つとなっており、消費者が系列店舗でカードを利用して買い物をしてくれれば、年会費が無料でも十分やっていけるという判断である。
つまり物品販売店舗をもっているということが強みとなっている。
しかし、他のクレジットカードであっても、カード会員情報誌に掲載した商品や情報サービスなどの通信販売を一つの店舗と考えるならば、そこで買い物をしてくれれば、物品販売手数料などが入るし、さらに請求書をEメールにして郵送コストを削減するなどで、カード年会費くらいは捻出できるのではないだろうか。
ただ、年会費が無料ということでカードを所有してもらっても、一度も使われない休眠(スリーピング)カードとなってしまったのでは意味がない。
カード各社は知恵を競い合って、カードの利用特典を付加することでカードホルダーの利用促進を図っているのである。
たとえばセゾンカードは年に数回、西武百貨店や西友での5~30%割引セールに招待したり、東武カードは、東武池袋店での買い物を3%割引にしたり、優待セールに招待したりしている。
ジャスコカードも、年二回ジャスコ店舗での割引セールに招待するといった特典をつけている。
OMCカードは、コンビニのローソンでも利用でき、東急TOPカードは東急系列店で3~5%割引、その他の加盟店でも3~30%割引で利用できるという特典がついている。
流通系クレジットカードのカード発行枚数は銀行系カードの9228万枚に次ぎ6871万枚で、信販系カードの6179万枚、メーカー系カードの923万枚を上回っている(2002年3月末)。
その理由としては、「系列店舗での優待割引」という特典サービス面で大きな目玉があること、系列企業以外との提携カード拡大が効を奏したことなどがあげられる。
カード犯罪の検挙数は年間3000件を超える
クレジット先進国である欧米では、カードの製造工場を襲って生カードを大量に奪い、それを一斉に使うといった組織的で大掛かりな犯罪や、カードが郵送される途中で、封入された郵便物ごと郵便局員が奪うといった犯罪も起きている。
また、東南アジアでは、カード加盟店が観光客のカードを店の奥で何枚も伝票にインプリント(架空のカード売上伝票を作成)し、帰国してみたら買い物額以上の請求が何件もきたというケースや、最近ではカードの情報を盗み取ってコピーするスキミングと呼ばれる犯罪も発生している。
カード犯罪で最も多いのはクレジットカードに関する犯罪である。
他人のカードを使ってクレジットカード会社のCD(現金自動支払機)から現金を引き出すと、クレジット会社に対しての「窃盗罪」が成立する。
また、支払い意思も能力もない者がカードで商品を購入すれば、加盟店に対して「詐欺罪」となる。
これはショッピングクレジットの場合も同じである。
1981年の福岡高裁の判決では、「利用客に代金を支払う能力がないことを加盟店が知れば、クレジットカードによる取引を拒絶しなければならないことは信義則上当然のことであるから、被告人(カード会員)が、信販会社に対して立替金等を支払う意思並びに能力もまったくなかったのに、クレジットカードを使用した以上、加盟店に対する関係で、カードの使用自体が支払い意思、能力があるように仮装した欺罔行為と認めるのが相当であり、その事情を知らない加盟店から財物の交付を受け、若しくは財産上の利益を得る行為は詐欺罪に当たる」としている。
高度化するカード犯罪とその対策
カード犯罪の認知件数は、さほど多くないと思われるかもしれない。
これは、被疑者が明らかにされ、加盟店などから告発等がなされたケースを中心としたものだからである。
最近のカード犯罪は、その手口が高度化しているため、「認知」されないケースも多いようである。
認知件数に対する検挙件数の割合が低くなっていることからも、それがわかる。
たとえば、最近増えているのが「スキミング(skimming)」である。
これは、カードの裏にある磁気テープに記録してある個人データを、そっくりそのままコピーして盗み取る手口である。
具体的には、手のひらサイズの機械「スキマー(skimmer)」を使ってデータをコピーし、その後でパソコンでデータを読み取り、偽造カードに盗み取ったデータを再コピーするという方法である。
それ以外にも、お店のレジの近くにあるCAT(Credit Authorization Terminal)と呼ばれるカード決済の端末機そのものにスキマーが設置されている場合もある。
いずれの場合も、カード所有者には気づかれずに一瞬のうちにデータを盗むことができるのが特徴である。
スキミングされたデータは、まったく同じカードを偽造するために利用され、その偽造クレジットカードで高額商品を購入し、購入した商品はその後に現金化されることになる。
購入代金の請求がきてはじめて、カード所有者は自分のカードが偽造されたことに気づくというわけである。
これに対して、カード業界でもさまざまな対策を立てている。
たとえば、不正使用防止のために不正利用検知システムの導入などを図り、普段、少額な買い物しかしていない人が、突然、高額な買い物をしたりすると、本人でない可能性が高いとシステムが判断し、カード利用の承認をいったん止める。
そしてカード会社は、カード利用時に直接本人と電話で話をするなどして本人確認および購入意思確認を行なっている。
もし身に覚えがない請求を受け取った場合には、すぐにカード会社に連絡することが大切である。
一般的に、クレジットカードには「盗難保険」が自動付帯されているので、カードが盗まれたり、不正利用された場合には、すぐに警察とカード会社に「紛失・盗難届」を出すことが重要である。
これを怠らなければ、不正に利用された分については、盗難保険でカバーされることになる。
ただし、なかには保険が付帯されていないカードもあるので注意を要する。
カード所有者としては、付帯保険の有無や適用範囲をよく理解し、カードの請求書についても明細をチェックし、一定期間は保存するのがよいだろう。
